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今日のにっこりひまわり 毎日健康社員日記

幕末土佐のすごい賑わい2〔3457〕2012/10/02

幕末土佐のすごい賑わい2

2012年10月2日(火)秋晴れ

今日も良いお天気。ここ、西広小路のイチョウも色づき始めました。秋です。
さて、3日前ののえくりの話、しつこく続けます。マニアな話は続くのであります。これを世間では開き直りと呼んだりもしますが。

こないだの「のえくり」は、「鏡川夕涼の図」にかかれた文章を勝手に現代土佐弁に訳したもの。そして、今回は、もうひとつ、「のえくり」について現場で書かれた文章を、なんちゃって読み下しで、ご紹介しようではありませんか。宇佐、真覚寺住職、静照さんの日記です。その記事は、慶応3年8月。強烈やったがでしょう。何度も出てきます。

ご紹介するがは8月19日。前半部分省略。

当年7月上旬から、下町川原に、「涼み」と称して夥しい人数が遊びに出ゆう。始まりは、たいしたことなかったけんど、段々とエスカレートしてきた。魚の棚で肴を調達し、提灯を照らしながら、いつの間にやら我も我もと出て来るようになった。若い男は、親の制止も聞かず、娘さんは夕方4時ばあからお化粧して着飾って、大騒ぎしもって出かけるもんぢゃき、最初は制止しよった親父も、娘に引っ張られて川原の賑わいを見物に出掛けるようになって、自分も相撲取るやら踊るやら。

涼しさを得るがも銭次第、と金に糸目をつけん遊びっぷり。料理屋やお店も出てきて、川原に幾筋もの町が突如出現。往来する男女は、金をよう使い、四条の河原の涼みを真似て、涼み台を水の流れの上に置き、四方に簾を垂らして中でお酒を一杯、また一杯、もう一杯。加茂川に劣らぬ鏡川。

中略

8月1日の夜は、とりわけすごかった。川原は、行き来ができんくらいのヒトで埋まり、上町から見物に出た者も多い。この涼みに出て来んモンは、阿呆か燗症病み、と言われる程。一晩で1500両、川原で使われたということぢゃ。
で、「大仏踊り」というがを企てて踊り始めるグループも出現。ノエクリと称して、帯のうしろの結び目を押さえ、又、その後ろを押さえ、10人も20人も蛇の様にノエクリゆく者も居る。ピークには、はりまや橋から南の川原までノエクリがつながった。さすがにこれは往来の邪魔である、と、差し止められた。

川原では毎夜毎夜ノエクリ廻りゆう。ちくと窮屈になって、脇に退こうと思うても、後ろのモンに帯をしっかと握られちゅうので離れれん。イヤイヤノエクりゆうモンも居る有様。殷の紂王の酒池肉林の話を、昔は、珍しい話のように聞きよったけんど、今のこの川原の状況を見たら、それほどビックリするほどのことでもない。親の金を勝手に持ち出して川原に出掛け、勘当になったモンも居る。

お天気さえ良ければ、毎夜毎夜の大賑わい。踊り狂うて、朝の鶏が鳴き始める頃、ようやっと我が家を思い出し、ノエクリながら「ヨイヤヨイヤ ヨイヤサ」と囃しながら家にイヌりゆう。その日は酔うて疲れて頭も上がらんけんど、日暮れからまた川原に出掛ける。

中略

元を辿れば、7月の始め頃、大阪方面から商売でやって来た4〜5人の男が、市内は暑さが耐えれん、と、酒肴を持って川原へ出たがに始まるにかあらん。で、宿の夫婦や娘も、縁台を持ち出して一緒に川原で「おきゃく」。その男らあが、「京の踊りを見たまえ!」と、頭と手足を動かして踊ってみせたががすべての始まり。それを見よった高知の若者が、アシらあも負けちゃあせん、と、やっかみ半分で始めたがが川原の踊り。ほんで、だんだん人数も増えてきたら、田舎風の踊りはちくと面白うない、ということで京踊りの真似を取り入れ、「大仏踊り」と称する踊りが始まった。

こんなことは若いモンにとって毒にしかならん、と嘆くモンも居るけんど、市中のお金が川原に持ち出されるので、経済が廻って活性化につながる、と評論するモンも居る。

いつの間にか、下町の川原は静かになってきて、最近は上町の川原がこじゃんと賑やかである。昼間は町で踊りを練習し、夜になったら川原に出てきて踊りゆう。尺八を吹きながら歩くモンも居るし、浴衣に赤襷で、手拭いで顔を包み、菅笠で三味線を弾きながら歩きゆうモンも居る。京都大阪の乞食にかあらん。

後略

もっと、いっぱい書かれちょりますが、今日ご紹介したがはその一部分。その他の日の日記には、幕末の騒然とした世情が書かれちょったりもしますので、その厳しい雰囲気と大賑わいの状況が、コントラストを見せちょります。
不安で先行きが見えん状況やからこそ、こんな大騒ぎになったがでしょう。
興味深いのは、当局が、メッソ取締りをやりゆう風にもないところ。こういったことで不満を発散させるがを黙認しちょったフシがあります。たぶんそうやと思います。
今日も長い文章を最後までお付き合い下さいまして、ありがとうございます。


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