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今日のにっこりひまわり 毎日健康社員日記

公共工事と住民〔4441〕2015/06/13

公共工事と住民

2015年6月13日(土)曇り

今朝は東京。昨日、名古屋から新幹線に乗ってやって来ました。昨夜は代官山にある、植竹シェフで有名なカノビアーノさんに高知のトンがった生産者さんたちが集結。茨城の生産者さんもやって来て、「もろこしまつりin代官山」というのをやっておりました。
佳い食材と佳い料理人。ああ。おいしかった〜。

さて。ここは成田空港。
最近第3ターミナルというのが第2ターミナルの北側に完成。ちくと離れちょりまして、連絡バスに乗って移動するか、徒歩。徒歩だと、630mあります。
今朝は、歩いてみました。
こないだも書きましたが、丁度その中間地点辺りに、このような大きな碑。中央に「顕彰」と刻まれた、大きな碑。そして夥しい氏名が、所属する生産組合名などと一緒に刻まれた、碑。

成田空港が完成したのは1978年。昭和53年。
小生が大学に入学する為に東京へやって来たのが昭和55年4月。空港が開港して、まだ、間もない頃でした。その頃の大学構内には、「三里塚に集結しよう!」などと大書された立て看がたくさん並べられ、開港はしたものの、所謂成田闘争が盛んに行われておった、そんな時代。

そもそも。
羽田空港では、拡張してもこれからの状況に対処できない、ということで新空港建設の機運が盛り上がったのが昭和30年代。様々な候補地が検討されちょります。で、紆余曲折の末、色んな政治力も働いて、成田の三里塚界隈に建設する、と閣議決定されたのが昭和41年。候補地の4割弱が、天皇の御料牧場であり、満州からの引き揚げ者などの開拓村でもあったことなどから、用地買収が簡単、との読み。
しかし。
国の政策なので言うことを聞け、という上から目線の用地買収で始まった為に、住民からの猛反発を受けてしまう。キチンとした説明もなかった、と言います。

最初のボタンの掛け違えから、揉めに揉めた空港建設問題。

国の事業による、住民の大規模立ち退きについては、戦前でも、大きな反対運動などで揉めたことがたくさんあります。戦前は、今ほど住民の権利が確立していない。国による強制執行で、大きな公共工事の用地買収が行われていった、というイメージがあります。しかし、例えば大正末から昭和初めにかけて行われた巨大土木工事、荒川放水路の開削。
これはもう、すごい工事。
よくぞこんな計画を立て、実行したもんだ、と感じるくらい。
江東区の中川河口まで、全長22km。水路幅は500m。場所が場所なので、たくさんの住民が暮らしていた地域を縦断する大工事なので、国は周到に用地買収を進めたのでありますね。

この工事で、消滅してしまった村もいくつかあるくらいの公共工事でした。

その際、立ち退きを拒否する住民と国の間でトラブルとなり、かなり揉めた末に、やっと工事ができた、という話も残っちょります。昭和初期にして、そんな状況。

成田空港は、戦後の、人権意識が高まってきた時期に、大上段に強行しようとしたもんで、揉めた訳だ。

しかし、この反対運動は、途中から所謂「新左翼」と呼ばれる連中が関わってくる。で、我々が学生の頃は、もっぱら新左翼の重点運動になっちょりました。もちろん、地域住民の、切実な思い、というのはありました。が、新左翼がやりゆう運動、ということで、当時も、一般学生は少し離れた場所から眺めておった、という側面は否めません。難しいもんです。

まあ、そんな揉めに揉めた、成田空港なので、こんな碑が建てられたのでありましょうか。もちろん、今も、反対闘争は続いておりまして、空港敷地の中に、反対派の建物や神社があったりするのはご承知の通り。

この碑は、今までは、一般人の目に触れるような場所にはなかったがやないでしょうか。が、第3ターミナル完成によって、表に出てきたのでありますね。630m歩く人は、見れます。

荒川放水路工事では、反対住民と政府の間で何度も話し合いが行われ、なんとか完成に漕ぎ着けました。神社の移転などは、代替地を神社側がなかなか承服せず、大変であったようです。
しかし、時代が下って戦争が近づくと、様相が変わってきます。国家の意思には逆らえない時代。現高知空港の場所に海軍が飛行場を建設しますが、この時代になると反対もクソもない。海軍省の軍官僚が、地図の上に定規で引いた土地。そこに、飛行場が建設されました。有無を言わせない時代。
そんな時代が再び訪れないよう、祈るばかり。


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