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今日のにっこりひまわり

あれから1年9ヶ月過ぎました〔3530〕2012/12/14

あれから1年9ヶ月過ぎました

2012年12月14日(金)晴れ!

今朝の冷え込みは、それほどでもなかったですな。会社の車のフロントガラスもカチバリツイちゃあしませんでした。

さて、このにっこりでは、大震災以来、安政南海地震津波の大被害に遭うた宇佐、真覚寺住職、静照さんの日記をご紹介してきました。毎月11日前後にご紹介してきよりましたが、震災から1年8ヶ月目の先月は、ようご紹介しませんでしたので、本日、やります。

写真は、今朝、夜明け前の久枝海岸。静かな太平洋の向こうの空が白み始め、空には美しい金星。

さて、先月の11日で、あの大震災から1年8ヶ月が経過しました。静照さんの日記「真覚寺日記」の、安政南海地震津波から1年8ヶ月目の記事を見てみましょう。いつものように、小生文責による現代土佐弁読み下し。

安政3年7月5日 朝7時頃より雨
久し振りの雨やったき、人々はこじゃんと喜んだ。9時ばあには雨もやんで晴れる。
こないだから、某所にて雨乞いの祈祷をしゆうにかあらん。今日は土用の「さめなり庚申」。雨が降らんといかん日ぢゃ。昔は、法力のあるお坊さんを選んで、雨乞いの法を修めさせたき、その験効がしゅっと現れたことも再々ぢゃった。けんど、今は、智も徳もない「売僧(まいす)」に頼んで祈ってもろうたりするもんぢゃき、効き目も無く、依頼された方の坊さんも色々心配し、空を眺め、季節の変わり目を計算したりして、ヒトを惑わせることになる。末世の習いとは言うけんど、まっことあさましい。
こないだ、ある坊さん達が池ノ内の正宝寺さんに替わってきたけんど、皆、不学文盲で法要が勤まらんような輩やった。何をするかと思うたら、この頃流行しちゅう下段の構えの剣術を稽古しゆうそうぢゃ。檀家さん達が不審に思うて問い尋ねたら、当宗派は、帯刀御免の宗風であるので、こうするのである、と答えたとか。ほんで、宇佐界隈では、「真宗は法談がやまって下段になった」と噂されゆう。まっこと笑い話ぢゃ。前記雨乞いの話とおんなじ。
と、書いてきたけんど、私もヒトのことが言えた義理かと筆を投げて反省反省。
中略
こないだうちから海が頻りに鳴る。日没頃、曇る。夜は星も見えざった。今夜もこじゃんと暑い。

以上ですが、今迄ご紹介してきた日記には必ずあった余震の記録が、この日の日記にはありません。この頃になると、たまにですが、余震の記録のない日記が出現するようになります。ただ、海鳴りがしよりますね。
しかし、この翌日の日記は。

安政3年7月6日 曇り
雷鳴のように震動した。朝10時ばあから急に雲が出て雨が降りそうになった。漁船は、これを見て、慌てて沖からモンて来た。2時間ばあしたら空は晴れて、お日様も見え始めた。うちの寺でも、去年、大風雨で梨が落ちてしもうたがを思い出して、慌てて梯子をかけて庭中の梨、30個〜40個を穫った。
福島(宇佐の福島)の陰陽師が言うことには、一昨年の大津波は「雄波(をなみ)」という波で、近いうちにまた「雌波(めなみ)」が来るき、油断したらいかん、と流言しゆう。ほんで、女子供には、海鳴りを聞いてまた津波が来たか、と恐怖するモンも居る。
ある男がこれを聞いて言うた。「いかに世の中の義理と言うたち、雌浪雄波浪と事をわけ、夫婦連れで御つとめするにはようばんろう。」
今日、醤油の麦を煎った。
夜、七夕の通夜ということで、若者連中が集まって、朝まで歌いよった。うちの寺の北隣の、娘さんの居る家にも数人やって来て、こじゃんと賑やかやった。
美女の周辺には、招かれんかっても、好男子、醜男ひしめきおうて、集まってくる、と、弘法大師さんが宣うたと言うけんど、まっことぢゃ。夜中、雨が降った。

以上で、まだ、津波への恐怖から、様々な流言が飛び交うたりしゆう様子も窺えます。この翌々日の日記にも、白鳳の地震で土佐湾海中に沈んだ郷のことが書かれちょります。

さて、今月11日で、大震災から1年9ヶ月が経過しました。真覚寺日記の、当該日を見てみます。

安政3年8月5日 雨
朝、10時ばあから晴れる。晩方、寺の小僧さんを連れて、西浜の大工、与之助さん宅へ、頼んじゃあった米櫃と書物箱を取りに行った。夕方5時頃、小揺れ。同時に曇った。
後略

安政の震災は、原発事故がなかったので、1年9ヶ月が経過して、恐怖と困難がありながらも、庶民が、必死に日常生活を取り戻していく様子が見て取れます。娯楽もようやく増え、幕末土佐をにぎわしたあのスキャンダル事件も、娯楽に取り込まれていきます。この日は、高知のお城下に滞在中の静照和尚さん。

安政3年8月21日 晴れ
朝10時ばあに本町へでかけ、お昼に宿へ帰る。今日もこじゃんと暑い。昨日、横町で、「後日怪談浮名簪(ごじつかいだんうきなのかんざし)」という造り本を見た。五台山、純信お馬のスキャンダル事件を浄瑠璃本に仕立てあげたものである。

このスキャンダルがあったのは、安政2年5月。それから1年ちょっとで、浄瑠璃になってしもうた訳です。静照さん、かなりこの事件には憤慨しちょりまして、日記の所々に、エピソードが出てきます。


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