神様トンボ〔7412〕2023/08/01
2023年8月1日(火)薄曇り
ワシャワシャワシャワシャ。8月になり、本社棟周辺のクマゼミの声が一段と大きくなってきました。夏やねー。夏やけど、少し曇ってます。今週は台風の影響でしょうか、雨マークの多い週間予報。ただ、気温は連日30℃超えなんで、熱中症に備えて朝から牛乳飲みましょうね。
写真は今朝、本社棟前の田んぼを飛ぶ、ハグロトンボ。高知ではもう半月前から稲刈りが始まってますが、この田んぼは少し遅くて、恐らくは今週、稲刈りになることと思います。黄金色の稲が実りに実って頭が垂れる垂れる。人間も、偉くなればなるほど謙虚にならんといかんね、という諺があるけど、このところのニュース報道とかを見るにつけ、わざわざそういう諺がつくられた意味が、よくわかりますな。同じような諺、言い回しは世界中にあるようなので、人類全体の持つ特性への戒めなのかも知れません。
で、ハグロトンボ。神様トンボとか極楽トンボなどとも呼ばれる、ありがたいトンボ。弊社は、物部川に隣接し、農業用水もたくさん流れている場所にあって、この季節になると昔からハグロトンボをよく見かけます。
この、黒い翅をピタリと合わせる姿が、合掌して神様に祈る姿に似ていることから、神様トンボ。という説も、あります。なんか神々しいですもんね。この美しい緑の胴体は、雄。お盆の時期によく見かけるので、ご先祖様がこのトンボの姿になって帰ってきた、などと言われたりもします。そう。もう、お盆も近い。今が夏の真っ盛りやけど、高知ではよさこいが終わってお盆を迎えると、ちょっとづつ秋の気配が感じられるようになります。もう、そんな季節やねー。
ご承知の通り、トンボってのはとんでもない大昔から地球上に生息している昆虫。今から3億5900万年前から、陸上は、巨大なシダ植物などによって覆われまていきす。石炭紀。光合成が活発になり、大気中の酸素濃度が上昇する。その酸素濃度の上昇によって、節足動物も巨大化するようになりました。巨大化した昆虫が、森の覇者となっていったのが、その時代。3億2600万年前の地層から、全長2.63m、体重50キロと推定される巨大ヤスデの化石が見つかってますきんね。こんなのに森で遭遇したら、ナウシカの世界やね。
で、その頃から地球に存在したトンボやけど、そのトンボも巨大化し、翅を広げたら70cmというトンボもおった、らしい。肉食なんで、やはり、遭遇したくないくらいのトンボ。
ペルム紀までそういった生物の繁栄は続くけど、ペルム紀末、地球環境がなんらかの原因によって激変し、地球史上最大の大量絶滅が引き起こされ、たった20万年間で、地球上の生物の90%以上が絶滅したとも言われてます。
三葉虫もいなくなり、巨大昆虫もいなくなり、その後、恐竜が出現して地上の覇者となる。
6500万年前、巨大隕石の衝突などによって再び大量絶滅がおきると、恐竜は絶滅して哺乳類が繁栄する。
この神様トンボは、僕らよりずっとずっと古くから生きてきたトンボの末裔。いかんともしがたい環境の変化の中で、しぶとく生き残ってきた、トンボ。
巨大な身体で偉ぶることなく、しぶとく、しぶとく。この姿にご先祖様の魂を見た先人の感性は、きっと正しい。