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今日のにっこりひまわり 毎日健康社員日記

名利一朝夢 風月無尽蔵〔6268〕2020/06/13

名利一朝夢 風月無尽蔵

2020年6月13日(土)曇り

鈴木先生が亡くなられました。高知大学名誉教授の鈴木堯士先生。高知大学の地質学を牽引され、日本列島がプレート運動によって成り立ってることを世界で初めて実証された、偉大な先生。今朝の高知新聞に、鈴木先生をしのぶ特集記事が組まれてました。やるね、高知新聞。鈴木先生の偉大さがわかる高知新聞も、なかなかのもん。

 

この右下の本。「寺田寅彦の宇宙観」。これを買って読んだのはいつだったろう。そもそも土佐の歴史にハマり、土佐の先人、寺田寅彦について書かれた本だから買ったと記憶します。この本には寺田寅彦という人物の、物理学者としての本当の凄さが描かれてて、面白かった。そして、この本が、僕を地学に誘ってくれたのでした。

いや、これを読んだとき、すぐに地学にハマった訳ではありません。でも、歴史を学ぶ延長線上に地球の成り立ちがある、と気付かせてくれたのは、この本。この本読まんかったら、僕は地学に興味を持つこともなく、ブラタモリに出演することもなかった、と、確信を持って、言えます。

 

ブラタモリの撮影で西分漁港へ行きました。高知大学の橋本先生が、そこのメランジュが、プレート論の正しさを世界で初めて実証した地層である、と自慢しておられましたが、まさにそのメランジュがプレート運動の証左であることを実証したのが、鈴木先生でした。まだ、プレートテクトニクスの理論が世の中に受け入れられていなかった1970年代のこと。

ブラタモリで、あのメランジュのすごさを高知大学の地質学の先生に解説してもらえたことが、偶然本屋さんで手に取ったこの本を読んだことに端を発してると思えば、世の中の不思議を感じます。

 

寺田寅彦は、学会で抹殺されるウェーゲナーの大陸移動説を日本に最初に紹介しました。その研究の系譜を受け継ぎ、プレートテクトニクスの正しさを高知のフィールドで実証した、鈴木堯士先生。

もちろんあのメランジュだけではなくて、日本列島の、特に四国の成り立ちを研究され、多くの成果を挙げられております。この「四国はどのようにしてできたか」は、僕のバイブル。こんな本を書いてくれて、本当にありがとうございました。

 

この本にも寺田寅彦のこと、出てきます。寺田寅彦は、柔軟な発想で物理現象を捉え、広範極まりない分野での興味深い考察を行っております。全卓樹先生によりますれば「複雑系物理学の世界的な先駆け」であった、寺田寅彦。その地球科学的な部分を継承されたのが、鈴木先生。

四国はどのようにしてできたか」で、プレートテクトニクス理論のことを語る際に、寺田寅彦の随筆「茶碗の湯」が引用されてます。

「ここに茶碗が一つあります。中には熱い湯が一ぱい這入ってをります。」

「もし表面にちゃんと蓋でもしておけば、冷やされるのはおもに周りの茶碗にふれた部分だけになります。さうなると、茶碗に接したところでは湯は冷えて重くなり、下の方へ流れて底の方へ向って動きます。その反対に、茶碗の真中の方では逆に上の方へ昇って、表面からは外側に向って流れる、大体さういう風な循環が起ります。」

これは寅彦が、大陸移動を念頭にして書いた文章である、と喝破しておられる鈴木先生。

 

広島出身の鈴木先生、大のカープファンだったそう。地学の話をお聞きするのはおこがまし過ぎるので、カープの話をしてみたかった。ご冥福をお祈りします。

この記事の最後に、先生が大切にした言葉が書かれてました。良い言葉ですね。また、鈴木先生の本、読んでみよう。

 

名利一朝夢 風月無尽蔵


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