軽井沢、中山道、東西を結ぶルート〔7389〕2023/07/09

2023年7月9日(日)小雨
そんな訳で、少し事情があって、軽井沢にいます。そう。信州の、軽井沢。ここへ来るのって、大学生のとき以来ではないかと思います。あの頃、東京から車で来ると5時間かかってたし、国鉄信越本線だと横川で峠の釜飯食べんといかんかった軽井沢。今はなんと、東京から新幹線で1時間。車でも高速道路で2時間。まあ、あれから40年経ちますきんね。
で、軽井沢と言うてもそこそこ広くて、ここは追分。中山道と北国街道の分岐になる「追分」。そしてこの写真の道は旧中山道。東海道のバックアップとしても機能した中山道は、ここを通っているのであります。
群馬県の高崎から碓氷峠を越えて軽井沢へ。佐久平から和田峠を越えて諏訪湖。そこから伊那谷を進むんではなく、塩尻から木曽谷を通るのが中山道。今、地図見てみると伊那谷の方が通りやすそうやけどね。当時は木曽谷の方が通りやすかったんで、そっちが中山道になったんでしょうかね。まあ、そうなんでしょう。
中山道のルートはこんな感じ。山梨、長野、岐阜、愛知って、南北に幾筋もの山脈と谷が走ってて、なかなか東西への往来が難しいですよね。だから、佐久平から長野市に至る谷と伊那谷と木曽谷では、全然違う文化が育まれてたりします。近代になって、トンネル掘削技術が進歩し、そんな山脈を打ち抜くトンネルが放られて鉄道や道路が通されました。でも、その山脈は断層だらけ。高い切り立った山々と、断層。なので世界でも屈指のトンネル掘削技術を持つ日本でも、ものすごい苦労がありました。
リニア新幹線は、甲州街道に近いルートで甲府盆地へ出た後、南アルプスを突き抜けて伊那谷へと向かいます。同じ長野県でも、この中山道ルートからはずっとずっと南を通ります。以前にも書いたけど、高速道路とかのルートは、昔の街道に沿ったものが、多い。それは、それが最短ルートだから。山のアップダウンはあるけど、最短ルートを取っていた、昔の街道。土佐街道が、立川、馬立の北山越えであり、それに沿って高知自動車道がつくられているように。
ところが、リニア新幹線のルートは、違う。南アルプルを越える街道なんでものは存在しなかったしね。当たり前やけど。旧街道などとは関係なく、最新技術を駆使してつくられるリニア新幹線は、地球への挑戦でもあるのであります。
東京から1時間になった軽井沢で旧中山道を歩きながら、便利になるってどういことなんだろう、などと考えた朝。