トラムの過去と未来2〔8203〕2025/09/30

2025年9月30日(火)晴れ!
昨日は、イングランドの「ブラックプール・トラム」開業140年という話を書きました。で、今日は、京都市電の路面電車営業終了から47年、という話題。京都市電の路面電車は、1978年の今日9月30日を最後に、全廃されたのでした。
幾度か書いてきたように、京都の路面電車は1895年開業で、日本で最初の路面電車。かの、琵琶湖疏水を利用した水力発電でできた電気は、主に、この路面電車に使われたのでした。色んな意味で、日本の産業構造転換のトップランナーだった京都の路面電車。開業以来延伸を続け、日本を代表するような路面電車都市となった、京都。
昭和30年代の路線図は、これ。総延長76.8km。すごいね。京都は路面電車の街、と言うても過言ではなかったのだ。
しかし。自動車が増え、このウィキにも書かれているように「モータリゼーションの進展と地下鉄の敷設こそが大都市の条件とする風潮」の中で「路面電車は時代遅れ」という流れができあがっていったんですね。
ウィキによると、1965年に自動車の併用軌道内走行を可能としたことで、電車の利点であり定時運行に支障をきたし、電車の客離れを招いた、ともあります。
「場当たり的な対応」が、結局のところ、路面電車廃止への流れに棹差すことになった訳だ。場当たりは、いかんね。聞いてますか?
路面電車が廃止となった1978年。僕は高校生で、京都には姉が大学生として住んでました。姉の引っ越しの手伝いに行ったりしてたので、路面電車が走っている風景を見た訳だ。あんまし記憶にないのがもったいない。
路面電車が1978年に廃止され、地下鉄が開業したのが1981年。開業したばかりの地下鉄に乗ったことは、あります。覚えてます。僕は東京の大学生でした。
爾来44年。44年も経つのに、京都の地下鉄網って、これだけ。これっぱあ。烏丸線と東西線だけ。ご承知の通り、京都の街を公共交通機関で移動しようとすると、バスだ。オーバーツーリズムで慢性渋滞の京都の道を、バスで移動するのが一般的。
で。
ここにきて、路面電車の廃止は失敗だったのではないか、という議論がおきてます。なんだかなー。
いや、今からでも遅くない。京都は、路面電車を復活させ、曜日によっては自家用車の走行を規制する街になってもいいんではないか、と思う。それが、国際観光都市京都の、魅力的な未来だ。などと思うのは鉄分が濃い僕だからなのか、どうなのか。でも、そろそろ自動車中心の都市政策は見直さんとね。頭は柔軟に、柔軟に。
フライブルクとかが有名やけど、自動車の規制とトラムを組み合わせる都市は魅力的だよね。路面電車廃止から47年の京都。高知には、幸いなことに路面電車が健在だ。周回遅れのトップランナーを目指すのは、今だ。
路面電車のあり方検討会に僕が呼ばれないのは、たぶん、鉄分が濃すぎるからだと思いました。
写真は、今朝、始発が出発する直前のとさでん交通桟橋車庫。いいね、この風景。トラムを融合させた未来都市、高知を夢見る朝。