新聞広告と、本〔8222〕2025/10/19

2025年10月19日(日)曇り
今朝、会社でゆっくり新聞読んでたら、なかなか印象的な広告が目に飛び込んできました。日経新聞の見開き広告。見開き一面に本が溢れ、その中を一人の男が歩く。いったいこったい何の広告なのか、わからない。
右下には、古代ローマ帝国のハドリアヌス帝の言葉「本は私に人生の道を示してくれた」。
Books showed me the way of life
もちろんハドリアヌス帝は、英語ではなくて古代ラテン語で言うた訳やけど。で、その上に、この広告を出した企業名らしきもの。
BRUNELLO CUCINELLI
知らんがな。どうやらイタリアの名前っぽいけど。調べてみたら「ブルネロクチネリ」というファッションブランド。そっち方面には極めて疎いので、知りません。が、有名なブランドみたいね。
ウィキによると、そのブランド創業者であるブルネロ・クチネリは、15歳から25歳までの間に、バールで出会った様々な職業、階級の人々と議論する中で政治や宗教、哲学に傾倒し、哲学者でもあったハドリアヌス帝を敬愛するようになったとのこと。なるほど。だからハドリアヌス帝が出てくるのか。
カラフルなカシミアニットウェアで大成功した、ブルネロ・クチネリ。労働者を大切にし、「人間主義的資本主義」を掲げた経営をされていると、ウィキに書かれてます。いや、なかなか素晴らしい経営者だ。
この広告からも、読書家であることが窺い知れます。そしてその読書体験が経営に生き、経営哲学を形づくっていることが想像できます。
日本では、来週、10月27日から11月9日までの2週間が読書週間。秋の夜長、静かな秋の夜、ゆっくりじっくり本を読みたいねー。
昨今の社会情勢、政治情勢を鑑みたとき、本を読まずに、自分が見たいネット情報だけを情報源に発言、行動されている人々をたくさん見るようになりました。いやね。やはり、読書体験というのは、人間そのものを形成してくれるし、何より幅広く、網羅的で、ネットよりは遥かに客観的な情報に触れることができます。大学の歴史学科を出てるのに網野善彦を読んだことがなく、保守政治を目指すと言いながら秦郁彦の本を読んだこともないのに戦争を語る政治家がいたりするのは、僕には信じられない。
先日、高知大学でキャリア形成論の授業を担当する機会がありました。パソコンに表示しているのは、その際に使ったパワポの1ページ。ひまわり文庫の書棚の写真とともに、朝ドラ「あんぱん」で幾度も出て来た、アンパンマンマーチの歌詞の一節を書きました。
なんのために生まれてきて、なんのために生きるのか
そして、「まずは、本を読もう」。
ハドリアヌス帝も、やなせたかし先生も、同じことを言うておられます。
ファッションには極めて疎いので、ブルネロ・クチネリというブランドは知らんかったけど、この広告みて、とても興味を持ったのでした。いい広告です。