グローバリゼイションの中の正史〔5025〕2017/01/17
2017年1月17日(火)晴れ!
冷やいですが、昨日よりは暖かい。車はカチバリツイちょりますが、穏やかな、朝。山は雪かも知れません。
今日も神様ネタが続きます。正月ですきんね。
ここは今朝、4時過ぎの潮江天満宮。本殿の裏手、小山の上に鎮座まします大山祇神社。潮江天満宮の摂社ということになります。
大山祇神は、古事記の神様の系譜によりますれば、伊耶那岐、伊耶那美の子、ということになります。古事記では大山津見神。山の神様ですが、大自然全般、担当すると思います。
まあ、とにかく、様々な神様が登場し、複雑に絡み合う。登場人物(神様)の多さでは、古事記、日本書紀はかなりのもんだ。覚えきれません。
古事記、日本書紀の編纂が始まったのは天武天皇の時代。7世紀後半。中国は、隋唐の時代。
隋や唐という国は、北方の騎馬民族である鮮卑の拓跋部が打ち立てた国。そんな事情もあって、その広大な版図を非常にグローバルな視点で支配していたと言います。世界帝国、唐。
都長安には、世界中からの人が集まり、住んでいた。国籍による差別意識が薄く、有能な人材は人種、国籍にかかわらず採用し、取り立てていった、そんな国際色豊かな国であった。日本からも阿倍仲麻呂が渡り、出世しちょりますきんね。
その頃の日本。大和朝廷の時代が終わり、聖徳太子の時代を経て、ようやく国家としての形ができあがりつつあった、そんな時代。
近所に唐という世界帝国が、ある。
まずは、その政権を唐に認めてもらい、キチンと認識してもらわんと、いかん。そんな訳で遣唐使が送られ、唐の文物や仕組みを持ち帰ってくる。
中国には、史書というものが、あった。それも、天命によって王朝が変わると、その前の王朝の正史が編まれる、ということをやっている。正史によって、アイデンティティというものが確立されていく。
日本では、律令制度などの仕組みを、まずは形式から導入し、立派な政体を持った国家ですよ、とアピールする必要がありました。同時に、中国のように、国のアイデンティティを示すために正史を編むということを考えた訳だ。古い歴史を持った、ちゃんとした国だということを国際的にアピールする為に。
そんなこんなで編纂されたのが、古事記、日本書紀やと思います。
それまでの実際に起こった勢力争いや、土地土地それぞれに残る伝承、信仰などを綯い交ぜにし、それらしい歴史を構築していく。そんな大変な作業だったと思います。
元々、自然崇拝の国なので、たくさんの神様が、様々な場所に、様々な形態で存在したでしょう。バンラバラに。それを、できる限り纏め、整合性を創造し、一つの思想体系の中に組み入れていく、という作業。まあ、ある程度の矛盾はしかたがない。
現在の神道の形態は、その時に創造された基本形を踏襲するもの。謂わば、世界帝国唐によって引き起こされたグローバリゼイションの波の中で、一生懸命創り上げられたものだと言えると、僕は、思います。
なんという神様であれ、どんな儀礼やシキタリがあっても、それぞれの人々のそれぞれの思いで拝むことができる。それが、元来の姿。
この天神様には、天穂日命も、大海津見神も、大山祇神も、祀られています。写真左手の岩は磐座。神が降りてくるとされる、磐座。
そんな、空間が、ここにあります。
これが、昨日書きたかった話。