ひまわり文庫、2018年12月の新刊〔5711〕2018/12/04
2018年12月4日(火)曇り
ひまわり文庫、12月の新刊。今回も、あんまし重たい本はありません。多忙の中で読みやすい本に走ってしまった。読書の秋だったというのにね。ともあれ。
下の左。「宇宙はどこまで行けるのか」。ロケットの仕組みを丁寧に解説し、今の惑星探査とかは、どんな仕組みでどのような計算のもとに行われているのかを、まず、勉強。そして将来、人類はどんな宇宙旅行を可能とするのか。SFのような未来ではあるが、理論的に不可能ではない未来を描いてます。実際に検討されている壮大な恒星間飛行とか。あまりにも壮大過ぎるけど、そんなこと考えている人が地球上にはたくさん居るのが、すごい。
「ヨーロッパ文明の起源」は、メソポタミアの歴史が聖書などの記述に反映されており、今のヨーロッパ文明、宗教などの根源を辿ってゆく。肥沃な三角地帯で生まれた文明や、エジプト文明など。文明史論として、なかなか面白かったです。
一つ飛ばして「世界でバカにされる日本人」は、汽車で移動中に読もうと買った本。ちょっとね。ちょっとエキセントリックではあるけど、海外で日本がどう見られているか、ということを書いた本。ちょっとエキセントリックではあるけどね。ちょっとね。
上にいって「絶滅の人類史」。なぜ、人類はホモ・サピエンスだけになってしまったのか。なぜ、ネアンデルタール人や他の旧人などは絶滅してしまったのか。そして、ホモ・サピエンスはどこに行こうとしているのか。最新の研究成果は、サルからヒトへの進化の歴史を解き明かす。ヒトがヒトである謎に迫ろうとしているけど、なかなかね。こういった本、好きです。
その左二冊「残り全部バケーション」「ゴールデンスランバー」は一気に読める伊坂幸太郎。脳みそのリフレッシュには伊坂幸太郎だ。読後感が心地良いのね。
上に行くと「土佐史談」の最新号。相変わらず、面白い。公文先生の、板垣と国技館の話とかね。とても面白い。高校部活の一年先輩で、中学校で先生をやっているNさんが、戊辰戦争戦跡紀行文を書いてたのにはビックリしました。いや、ビックリ。
そして岩波写真文庫の復刻版三冊。
「廣島」は、原爆を落とされた廣島の惨状を伝える写真集。戦後間もなく出版された廣島の写真集。臨場感が、すごい。写真から溢れる人々の思いなどが押し寄せてくる。
「離された園」は、全国のハンセン病隔離施設の、写真集。間違った認識による、今では考えられないような環境に押し込められた人々の、生々しい生活を淡々と撮影しています。いろんなことを考えさせられる。
「戦争と日本人」は、朝日新聞写真部のカメラマンが、決死の思いで隠れて撮影した二・二六事件の風景から始まり、戦争に突入、敗戦、戦後の混乱といった歴史を、個人的な写真も含めて撮影したもの。戦争の時代の、実際の風景を垣間見ることができる。
この岩波写真文庫復刻版は、本当に面白いと思います。
最後。
下の右から二番目。「土 地球最後のナゾ」。
土壌の話ね。一昨年、5月の新刊でご紹介した「大地の五億年」の著者、藤井一至さんが軽妙な語り口で書く、土の話。豊かな土壌とはどんな土壌なのか。どうして、そんな土壌になったのか。地球人口が100億人になっても、それを支える土が地球上に存在するのか。なければ、どうやっていけば良いのか。これ、ちょっと、僕の「ツボ」。こんなにも身近なのに、まだまだ謎に包まれている、土。地球にしかない「土」という存在は、知れば知るほど面白いのでありました。
そんなこんなの、今年最後の新刊。今年も良い本にたくさん巡り会えて良かった良かった。