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おタヌキさんと、文筆家たち〔6078〕2019/12/06

おタヌキさんと、文筆家たち

2019年12月6日(金)晴れ!

こないだ、おタヌキ様について書きました。高知でおタヌキ様として有名なのは、八州の観音様。五台山の南、この場所に鎮座まします。

観音様と一緒に祀られてるのが大膳大明神で、狸の神様なのであります。昭和の初め頃、浦戸湾十景の候補になったのを契機として盛り上がり、高知の水商売関係者がお金を出し合って整備、今のような姿になった、と言います。

以前にも書いたけど、狸は「タ」ぬきで、他を抜く、ということで商売に縁起が良い、特に水商売関係者に有り難がられた、ということらしい。

 

昭和の初めにつくられたのは、十七畳の広い通夜堂や、社殿、拝殿。そして、橋で渡った先の、池の真ん中に浮かぶ六角堂。

今朝は出勤途上、観音様、大膳大明神にお参りし、六角堂を撮影して参りました。朝、5時前。まだ漆黒の池に浮かぶ赤い六角堂。カメラの設定と写真の加工で、なんとかこんな感じに仕上げてます。

 

昭和初期。趣も新たになったばかりの観音様で、田中貢太郎率いる「博浪沙」のメンバーがここへやってきて、文筆の健在を祈って祝杯をあげた、という歴史があります。

田中貢太郎は、高知出身の作家。師匠は、これも土佐出身の大町桂月。

田中貢太郎が主宰した同人誌「博浪沙」では、井伏鱒二、尾崎士郎、田岡典夫などなどが活躍した、らしい。よくは知りません。

土佐人らしい田中は、ライオン宰相と呼ばれた矜恃の人、浜口雄幸の伝記を書いたり、親交のあった幸徳秋水追悼の文章を書いたりしてる一方、元宮内大臣の田中光顕をボロクソに批判したりしてて、痛快丸かじり。

そんな人物が中心となってここで六角堂を眺めながら酒盛り。うーん。想像するだに楽しそう。

 

明治から大正、昭和初期の文筆家たち、面白いですよね。いや、実に面白い。

 

今、高知県立文学館で「馬場孤蝶とその時代」という企画展やってます。まだ行ってないけど、行ってみなくっちゃ。島崎藤村と同級生で親交が深く、高知では珍しいロマン派の作家として活躍した馬場孤蝶。

僕が調べたところでは、樋口一葉と、かなり愛情のやりとりがあったのではないか、という節があるのだけれども、以前偶然にも立ち寄った東京の一葉記念館では、馬場孤蝶のこと、書いてませんでした。

 

樋口一葉の文章って、すごいよね。明治の作家さんの文章って、真似できるものでは、ない。今、夏目漱石の「草枕」読んでるけど、この文章もすさまじいです。

明治の知識人の語彙といったら、もう、縦横無尽に果てしがない。

ね?

僕らはこんな表現しかようせんけど、漱石先生の表現、語彙は、ホントに凄くて縦横無尽に果てしがない。

あ、漱石先生も、結構反復は、好きみたいです

「草枕」って、そのストーリーがどうのとかより、文章、表現を楽しむようにできてるもたいっすね。見たこともない語彙が溢れてるだけではなくて、表現も、凄い。

 

「余は湯槽のふちに仰向の頭を支えて、透き徹る湯の中の軽き身体を、出来るだけ抵抗力なきあたりへ漂わしてみた。ふわり、ふわりと魂がくらげの様に浮いている。世の中もこんな気になれば楽なものだ。分別の錠前を開けて、執着の栓張をはずす。どうともせよと湯泉のなかで、湯泉と同化してしまう。流れるもの程生きるに苦は入らぬ。流れるもののなかに、魂まで流していれば、基督の御弟子になったより有難い。成程この調子で考えると、土左衛門は風流である。」

 

ね?

ここでは難しい語彙を使ってないけど、すごいよね。

一編を通じてこんな感じで文章が続き、縦横無尽に果てしがない。

どっから読んでも面白いのが草枕、と、かの宮崎駿先生もおっしゃってます。

 

なんかね。自分の表現力が浅薄極まりないものに思えてきます。明治から昭和亜初期の文筆家の文章読んでると。

 

なんの話でしたっけ。

おタヌキ様。

ここで行われた「博浪沙」の酒宴だ。タヌキに化かされて池に飛び込んだ文人はおらんかったろうか。


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