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今日のにっこりひまわり 毎日健康社員日記

66年前から廃トンネル、探検〔6350〕2020/09/03

66年前から廃トンネル、探検

2020年9月3日(水)雨

台風10号が気になるところですが、大豊町へ来てます。まだ、用件は内緒。

 

トンネル工事について、こないだから少し触れてますね。東海道本線、丹那トンネルの、凄まじいまでの難工事や、北越急行ほくほく線鍋立トンネルのとんでもない工事。地質学がいくら進歩しても、まだまだ判らないことだらけ、というのが、地球なのだ。

鍋立山トンネルは、着工から完成まで、なんと22年かかってます。工事を阻んだのは、地山の膨張。どうやら泥火山の活動に伴う陥没地形が原因で、せっかく掘った穴が、地山の膨張によって幾度も幾度も、機械ごと押し戻されるという事態が起こってます。

このトンネルが竣工したのは、1995年。1973年着工だから、その間には、トンネル掘削技術も劇的に進歩した訳やけど、それでも予想もできないような大変な苦労をして、なんとか掘り抜いた、鍋立山トンネル。

 

地山がどんな状況であるのか、よほどの調査をしないとわからん訳で、調査してもわからん部分はわからん訳で、「技術が進歩してるから中央アルプスにトンネル抜くのに問題はない」と考えるのは余りにも希望的観測が過ぎると思う、昨今のトンネル情勢なのであります。

繰り返すけど、ぜひ、吉村昭の「闇を裂く道」をお読み頂きたい。

 

トンネル工事で感心するのは土讃線。

まあ、丹那トンネルが開通した頃に土讃線を全通させてるので、トンネル掘削技術としては、かなりのレベルのものが蓄積された時期ではありました。でも、それは国家的プロジェクトで培われたばかりの最先端技術なので、四国山脈を突き抜ける鉄道のトンネルは、既存の技術で掘られたものだろうと推測します。だから、そんなに長いトンネルは、ない。せいぜい数百メートル。

でも土讃線ルートには、地滑り地帯である御荷鉾帯など、なかなか手強い地質もあるので、慎重にルートと工法が選ばれたんでしょうね。

で、昭和10年に、高知徳島の県境が開通して、高知から高松へ、汽車に乗っていけるようになりました。

 

その後、県境部分とか、土佐北川駅と大杉駅の間とか、長いトンネルを掘って、川沿いの斜面を走るルートを廃止してます。土砂崩れとかの危険を回避する為。トンネルって、工事は大変でも、一旦できてしまうと結構強いものなので、トンネルにした訳です。丹那トンネルも鍋立山トンネルも、凄まじい地山やけど、できてしまえばなんとかなっているので、あります。また断層がズレたら知らんけど。

そう。実は丹那トンネル、「闇を裂く道」にも出てくるけど、掘削中に断層がズレてます。丹那地震のときね。偶然、その掘削の先端部分が断層に突き当たり、湧水が激しくなるのでどうしようか、と、工事が止まってた時、その断層がズレて丹那地震が発生したのでした。地震後、その先端部分を調べてみてびっくり。見事に数メートル滑っており、そのズレた面が鏡面の様にツルツルになっていました。ズレたばかりの断層を地下で見ることができる機会は滅多にないので、多くの地質学者が調べに来たといいますね。

もし、再びその断層が数メートルズレたら、トンネル中央部で行き止まりになってしまうかも知れません。

 

で、このトンネル。秋森隧道。土讃線の土佐穴内駅から大田口駅へ向かう途中のトンネル。このトンネルが開通したのは昭和9年。でも、昭和29年には、この南に「和田トンネル」という長いトンネルが掘られ、このトンネルは廃されてしまいました。

その直接の理由が「トンネルの変状」であったといいます。この秋森隧道ではなくて、この東側の西屋敷隧道が、どうやら変状したらしい。僕は専門家ではないのでわからんけど、三波川変性帯とか御荷鉾帯とか御荷鉾構造線とかには、破砕帯を含む、地滑りを起こしやすい水分の多い地盤が形成されてます。大量の水を含んだ。トンネル掘るのには大変な地質。

そういう地質が、「トンネルの変状」に影響したのかどうなのか。たぶん、そう。その西屋敷隧道は、変状のせいなのか、今は入ること、できません。かなり埋められてるとの情報も、あります。

 

その、昭和29年に廃された秋森トンネルに、機会があって、今日、入ってきました。許可をいただいてます。役場の方と一緒に、何人かで入った訳ですが、いやー、面白かった。かなりの湧水が見られましたが、トンネルそのものには異常はなく、廃されてから66年経過しても、立派にその形状を保っております。あちこち、水は出てるけど。国鉄清算事業団が、今も管理している廃トンネル。

普段は鍵がかかってて入れない、貴重な廃トンネル。

 

写真は、トンネルの真ん中で、シャッタースピードを遅くして撮影したもの。人が幽霊みたいに写ってるのはシャッタースピードが遅いからで、なにかが出た訳ではないよ。

こうやって幾人かでワイワイ言いながら入っていくのはいいけど、一人では無理だと思います。トンネルの中はとても涼しく、湿度が高く、そして蝙蝠がおりました。いやー、貴重な体験。用件は、今は内緒。

 

でも、こんな水分が多くて難しい地滑り地盤に、ようこそトンネルを掘ったもんです。昭和の初めに。先人の知恵と努力には、改めて頭が下がります。こんなトンネルが掘られたおかげで、高知県人は、汽車に乗って県外へ出ることができるようになりました。昭和10年のこと。

 

大豊町には、廃トンネル、多い。これをうまく活用すると、面白いですね。必要なのは、これからの人たちの、知恵と努力。

 

いいもの見せて頂きました。


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