新金貨物線、LRT、BRT〔8227〕2025/10/24
2025年10月24日(金)薄曇り
東京は薄曇り。そんなに寒くは、ありません。
今日は、東京、神奈川を色々と廻る予定ですが、朝、ここにやって来ました。JR常磐線金町駅、京成金町駅から徒歩15分の踏切。
最近僕が貨物列車にハマってるのは、皆さんご承知の通り。で、東京にある貨物列車専用線のひとつ、新金貨物線を一度見てみたかったのであります。新金の「新」は新小岩駅で、「金」は金町駅。かつて、総武線の終点が隅田川東岸の両国駅だった時代、貨物列車も両国駅で荷物を降ろし、隅田川を船で渡っておりました。そんな不便を解消するべく、総武線から常磐線へ線路をつなぎ、常磐線経由で隅田川西岸へと荷物を運ぶようにしたのでした。
それから、関東大震災などの諸々の紆余曲折があり、東京の外周を回るような貨物列車路線が整備されたことで、新金線を通る貨物列車は激減。激減したけど、今でもちゃんと、貨物列車が走ってます。
ここは、その新金貨物線の「新宿新道踏切」。1093列車を、EF210桃太郎103号機が牽引して通り過ぎてゆきます。なかなかの迫力。
実はこの「新宿新道踏切」が、葛飾区の都市計画にとんでもない波紋を投げかけているのでした。いわゆる「新金線旅客化問題」。
これは、葛飾区の南北をつなぎ、街を活性化させるプランとして、新金線に沿って旅客列車を走らせよう、という計画の推移。
かつての工場地帯も宅地化され、タワマンも建つようになった葛飾区。しかし、南北をつなぐ交通の便があまり良くない。なので、便数が減った新金貨物線に旅客列車を走らせて欲しいという要望が住民から出されたのは自然な流れでした。
で、かなりの規模の計画が策定されたりして、区議会でも議論されてきたという新金線旅客化計画。1990年代後半からは、このにっこりで幾度も取り上げて来たLRT構想も検討されはじめ、計画は現実味を帯び、なんとなく夢が膨らんできたのでした。
ただ、その最大の問題が、この踏切なのでした。この国道6号は非常に交通量が多い。ここに、10分、15分間隔で電車を走らせると、大渋滞になってしまう。なので鉄道を高架にしたら、とか色んな議論が繰り広げられてきた訳だ。そこに、国交省の、この国道6号の拡幅計画が絡み合って、なんとも複雑な様相を呈していたのである。それでも、沿線住民のボランティア団体「新金線、いいね!区民の会」は、実現に向けた希望的観測のもとに頑張ってきたのでした。
ところが。
この9月の区議会で、この路線をBRTで整備するという方針が示されたのである。理由は、安いから。すぐできるから。そして、この踏切問題も、バスならそれほどに渋滞を発生させない、ということなのである。突然の方針転換に、みんなビックリ。いや、もちろん水面下ではそういった流れもあったんでしょうけどね。
BRTは、バスが専用路線を走るもので、日本では新潟市とかで取り組まれてます。
ここで欠落している視点とは。それは、鉄道とバスの、利用障壁の差だと思う。よく、鉄道路線をバスに切り替えてコスト削減を図る、という議論、試算が為されます。その際、鉄道がバスになったら、乗客が激減する、という視点が抜け落ちてしまい、結局負のスパイラルに陥ってしまう事例が多いことが指摘されています。単に費用だけの比較では、現実的でない。運転手さん不足の昨今、一人の運転手さんで運べる人員の量もあるしね。安物買いの銭失いにならないことを祈ります。
はい。もちろん、僕の鉄分が濃いことが、この文章の根底にあるのは否定いたしません。その通りです。でもね、本当に未来の街のこと考えたら、LRTは最適解だと思うけどね。
実際、富山や宇都宮のLRTは大成功しており、街の姿を変えつつあるけど、新潟のBRTの評価は芳しくありません。
日本という国土を縦横に鉄道貨物輸送網が走り、地方都市はLRTが住民の足となる。そんな未来を妄想するのは、もちろん僕の鉄分が濃いからです。
