「愛称・名称」問題〔8101〕2025/06/20

2025年6月20日(金)晴れ!
今朝の高知新聞に、土讃線からキハ32形が姿を消した、という記事が載ってました。最後の国鉄車両、キハ32形。まだ、松山には配備されてるとのことやけど、土讃線にあった5両のうち1両は松山へ移って、残りは廃車。分割民営化1ヶ月前に駆け込みで配備された車両で、フルベンチシート、バスのような出入り口が特徴的でした。これで、国鉄時代の車両は、土讃線から完全に姿を消しました。昭和は遠く、なりにけり。
国鉄の「分割」民営化については、その弊害や社会への「悪」影響など、言いたいことはいっぱいあるけどそれはまた今度。でですね、今朝取り上げたかったのは「愛称・名称」問題だ。
1987年(昭和62年)、国鉄はJR各社に移行。その際、それまで「国電」と愛称で呼ばれていた首都近郊電車をどう呼ぶか、といった議論があって、「E電」と呼ぶことにしたけど、誰もそう呼ばなかったのですぐに廃れてしまった、てな話ね。せっかく、駅の「国電」表示をすべて「E電」に変更したのに。あれだけお金かけてすべった話も、まあ、珍しい。結局「山手線」とか「京浜東北線」といった路線名で呼ぶようになった、「国電」。
ここは、キハ32形も引退して、すっかり国鉄時代の痕跡もなくなってしまった高知駅。この新しい駅舎ができるとき「愛称」が募集され、「くじらドーム」という愛称が採用されました。2008年のこと。さて。この「くじらドーム」という愛称をご存知の方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。これも、まったく浸透しなかった愛称の一つと言えましょう。これは、高知駅には大きな商業施設や飲食モールみたいなのがなくて、基本「駅」の機能しかないので、高知駅は高知駅と呼ぶのが一番わかりやすかった、といった事情があったと想像します。
手前味噌ですが、そして関係者以外誰も知らない些細な話ですが、以前、土佐酒の酵母や弊社の乳酸菌を宇宙へ打ち上げて「土佐宇宙酒」「宇宙を旅したヨーグルト」を生み出した「高知県宇宙利用推進研究会」は、会員メンバーで愛称を考えて、僕が発案した「てんくろう(天喰ろう)の会」が採用され、その愛称は今に至るまで使われてます。正式名称よりも、愛称の「てんくろうの会」の方が浸透しました。えへん。どうでもいいですか?
僕が好きな浦戸湾の県営渡船。この度、全国初の電気推進船が導入されることになり、その「名称」が公募されました。「愛称」ではなくて「名称」。決定した船名は「浦戸」。いい名前だと思います。今後、浦戸湾の巡航船に発展していく可能性を秘めた「浦戸」。
ただ、船名って、通常はあまり呼びません。宇高連絡船や大阪高知特急フェリーがそうだったように。恐らくこれからも「県営渡船」と呼ぶのが一般的にはなるんだろうと思ってます。あ、「さんふらわあ」は船名で呼んでたか。
さてさて。問題は、現在公募中の、五台山の新展望施設の「名称」だ。こちらも「愛称」ではなくて「名称」。素敵な施設になると思うので、素敵な名前になるといいね。誰でも親しみを込めて呼べる名前。新しい名称で呼ばれるようになるのか、今までのように「五台山の展望台」と呼ばれるようになるのかは、その親しみやすさにかかってると思います。皆さんもいい名前考えて、応募してくださいねー。