8年振りの「にこ淵」は、車椅子が途中まで〔8131〕2025/07/20

2025年7月20日(日)晴れたり曇ったり
「仁淀ブルー」という言葉は、2012年のNHKの番組で広まったとされてます。写真家の高橋宣之さんが仁淀川をテーマに撮影した多くの美しい写真が、まさしく「仁淀ブルー」。そしてその「仁淀ブルー」を代表するのが、いの町清水上分にある「にこ淵」。
道路からはロープを伝って降りないと行けないような場所であり、知る人ぞ知る、といった場所だった「にこ淵」。いや、2012年まではそんな「知る人」も殆どいなかったと思われる「にこ淵」。
それがですね、今や、いの町を代表する観光スポットとなり、多くの人が訪れるようになりました。
僕がお邪魔したのは、2017年5月。既にブームとなっており、適度に賑わっていた「にこ淵」。その際にも書いたけど、「にこ淵」は、水神様の化身である大蛇が棲まわれる、神聖な淵。古来、地元の方々も近づかなかったといいます。
僕が行った頃は、泳いだりする不届きものが居る、ということが問題になり始めてた時期。水神様は、そんな不届きをどう思ってたんでしょうか。「地元の方々も近づかない」神聖な場所だった「にこ淵」ですが、今はいの町を代表する観光スポット。
そもそも、到達するには危険極まりない崖を降りて行かんといかんかった場所が、僕が行った頃には鎖を伝って降りれるようになってました。そして。
今年、道路から途中までスロープが設られるに至りました。そして淵まではきれいな階段が。そんな訳で、行ってきました。母の乗る車椅子を押して、にこ淵が見えるところまで。
「にこ淵」が一番美しい時間帯は正午前後で、お日様が差し込む瞬間に幻想的な色になる、とのこと。今日は晴れたり曇ったりで、そんな極上のブルーを見ることはできんかったけど、車椅子の母に「にこ淵」を見せれる日が来るとは思ってなかったので、良かった良かった。
写真は、その場所から更に、整備された階段を下った場所。本当に多くの観光客が次から次へと訪れてました。前回、2017年時点では考えられなかった人数で、小さな子供連れや犬連れ、サンダル履きやミニスカートのお姉さんなどなど、たくさんたくさんの普通の格好のひとたち。
これだけ観光地化されて整備されると、泳いだりするような不届者も、現れようがないね。なるほど。
ここはまさに、三波川変成帯のど真ん中。徳島城の石垣や大歩危小歩危とかで見られる緑色片岩の本場。地質図でも「緑泥石帯」と書かれているように、この淵も岩石は少し緑がかっています。
ただでさえ透明度が高くてブルーに見える水が、その岩石の色によって、より特徴的な仁淀ブルーを醸し出している、という訳だ。
三波川変成帯あっての「にこ淵」の仁淀ブルー。
たくさんの観光客が訪れるようになっても、やはりここは神の棲む淵。大切に大切に、そして「畏れ」の気持ちを持って接していきたい「にこ淵」。