鏡川には牛鬼がたくさん〔8165〕2025/08/23

2025年8月23日(土)曇り
すっかりとツクツクボウシの季節になりました。日中は暑いけど、朝晩は少しだけ、涼しい。そんな土曜日、鏡川RUN。最終目的地は、温泉施設RIO。
とさでん交通のダイヤ改正があり、旧鏡村へ向かうバスは、日祭日は運行しないことになってしまいました。そんな訳で、走って行けるのは休みの土曜日だけ。厳しいねー。山間部の過疎化に拍車がかかるのに、なんとかせんのでしょうか。これは「社会学」の問題だ。
ここは小浜。昔の鏡村の、中心部。RIOや、かつての鏡村役場も、小浜村にありました。鏡川が蛇行する場所で栄えた小浜村。こうやって川の蛇行を見ると、これも恐らくは、昨日書いた仁淀川と同じ穿入蛇行でありましょう。元々平野で蛇行してたのが、フィリピン海プレートのせいで山中での蛇行になった、と。
その穿入蛇行は、「淵」と「瀬」を出現させます。その「瀬」が「小浜」の「浜」なんでしょうかね。違うかも知れません。でも、そんな気がする。
「土佐州郡志」では、小浜に、「牛鬼之淵」のほとりに高さ八間の天狗岩がある、と書かれています。八間というと、約14.5m。ホケのバス停の所から、小浜神社下の川のところまで降りてみました。が、天狗岩、わかりませんでした。恐らくはチャートの巨岩。「牛鬼之淵」という恐ろしい名前の淵は、たぶんこの蛇行部分にあったんだろうと思うけど、どうなんでしょうねー。
牛鬼。ウィキで見てみると、高知県でも、各所に牛鬼伝説が残り、鏡川でも支流の重倉川の牛鬼淵で牛鬼を射殺した、みたいな伝説が紹介されてます。
調べてみたら、こんなページがありました。広谷喜十郎先生が書かれた「高知市歴史散歩」。ここには、鏡川の色んな場所に残る伝説が紹介されてて、中でも「牛鬼」に関する話がたくさん。
ここ、小浜の「牛鬼ヶ渕」、白岩地区明神ヶ滝の「古へ牛鬼居申候」、長谷地区の「牛鬼渕」、平石地区の「牛鬼ヶ渕」などが紹介されてて、牛鬼だらけ。
平石地区の牛鬼伝説は、こういうの。
平石の豪農が、川に毒を流して魚を捕ろうとした。ある夏、下男と共に山へ行き、山椒の木の皮をはいできて、土灰を入れて臼で突き、毒をこしらえた。そして牛鬼渕へ下見に行ったところ、渕の底から金色の蛇が出てきて「今、子を育てています。毒を入れるのはどうぞ七日先にしてください。」と何度も哀願したそうである。聞かずに、毒を上流から流したところ、にわかに天候が荒れて大雨となり、七日七夜降り続いて、豪農の家は押し流されてしまった。この話は「土佐山村史」にも記載されているという有名な伝説。
こわいねー。牛鬼は、海、川、沼、湖に出現する妖怪なので、大自然の恐ろしさを体現するものなのでしょう。
ここ小浜にもあった、牛鬼ヶ淵。牛鬼之淵。普段は静かで美しい川やけど、怒ると怖い大自然。そんな戒めが、伝説として残っているのかも知れません。
で、この穿入蛇行の半島を上ったり下ったりのRUNは、なかなかキツかったです。で、温泉施設RIOで、お風呂。レストランが休業中なのは、寂しいね。
でもまあ、色々と収穫のあった鏡川穿入蛇行RUNでした。