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今日のにっこりひまわり 毎日健康社員日記

ひまわり文庫、2019年3月の新刊〔5798〕2019/03/01

ひまわり文庫、2019年3月の新刊

2019年3月1日(金)晴れ!

もう、3月になってしまった。春。今年は冬が来ずにそのまま春、という感じでしょうかね。そんな訳でひまわり文庫、3月の新刊。

今月は、少し多いです。まあ、一気に読めるような本も多いのではありますが。でもなかなか面白かった。

 

右上。日本SF傑作選「小松左京」。これは、先月の新刊で紹介した「もしもあの時の社会学」の中で、日本の反実仮想小説の嚆矢として取り上げられてた「地には平和を」が収録されてる本。高校生の頃読んだっきり、久しぶりに読みました。戦争の歴史を知り、また小松左京の自伝「やぶれかぶれ青春期」を読んでから読むと、小松左京が何故、この小説を書きたかったのかがよく理解できる。改めてすごい小説だね、これは。

 

その左には休日にダラダラと一気に読んでリフレッシュする伊坂幸太郎の小説2冊。「PK」と、「マリアビートル」。伊坂幸太郎は裏切らない。

 

小説といえば、「たけくらべ」。こないだ、樋口一葉直筆原稿がオークションで2100万円で落札されたという記事を紹介した、樋口一葉。改めて美しい文章に触れてみたくなって、思わず買って読みました。はかなくも、美しい。明治時代にタイムスリップしてしまう。こないだ、東京出張の際に、吉原の樋口一葉記念館前を走ってきました。

 

さて。どんどん行こう。「山本五十六の戦争」。戦争当事者に夥しいインタビューを重ね、山本五十六の本当の姿を描き出そうとした、優れたノンフィクション作家保阪正康さんの、佳本。三国同盟に強烈に反対し、対米戦争に反対して止まなかった軍人が、その対米戦争で先頭に立たなくてはならなかった悲劇。その心中を、五十六の部下だった人物などからのインタビューを交えて読み解いていく。山本五十六という人物を知るためには、読んどいた方が、良いね。

 

同じように戦前から、そして戦後まで日本で活躍した人物の評伝「日本野球をつくった男ー石本秀一伝」。これは分厚い本だけども、一気に読めました。旧制中学の野球大会黎明期、広島商業で選手として活躍後、広商の監督で全国制覇したりして指導力が認められる。そしてプロ野球に請われ、大阪タイガース監督などで手腕を発揮。戦後、広島にプロ野球の球団を、という運動が盛んになってきて、広島カープが結成、初代監督となったのが、石本秀一。監督業もそうだけども、金銭面も含めて弱小貧乏球団をいかに存続させるかに心血を注いだ偉人ですね。強烈な個性。信念。彼なくして広島カープは存在し得なかったとも言えましょう。いや、すごい男だ。

 

「気候で読む日本史」「天災と日本人」は、この日本という国が自然災害からは逃れられない国であり、その気候、自然条件によって歴史がつくられてきた、ということを教えてくれます。その中で、どのような宗教観が形成されてきたか、など、興味深い話も満載。

 

右下。「真冬のタンポポ」。新聞の書評欄で気になった、本。覚せい剤依存から立ち直り、全国で、薬物依存患者の救済ネットワークを運営する著者が、いかに薬物依存と立ち向かうのか、向き合うのか、を書いたもの。薬物依存者を犯罪者とし、厳罰を与えて糾弾するだけでは、決して薬物依存は減らない。なぜなら、それは治らない病気だから。だから、一旦やめたみたいに見えても、いつ再開するかわからない。大切なのは「やめつづける」こと。でもそれは、本当に難しい。単なる意思の強さなどの問題ではない、という話。これ、虐待の親の問題とかと似てますね。糾弾するだけでは解決できない。立ち向かい、向き合うことが大切。かなり衝撃的な本でした。

 

「史上最高に面白いファウスト」は、先月の新刊「昭和戦争史講義ージブリ作品から歴史を学ぶ」の、「風立ちぬ」講義の中で、その設定として引用されている「ファウスト」の、一番わかりやすい解説本として紹介されてました。難しいとされるファウストが、これを読むとめくるめくスペクタクルのエンターテイメントに見えてきて、楽しい。実際、ゲーテが発想したファウストは、この解釈が正しいんだと、思う。森鴎外とかが難しくしてしまったファウストは、実は楽しいエンターテイメントだった。

 

「漂巽紀略」。ご存知ジョン万次郎が、漂流から遭難、救出、ハワイ、アメリカでの生活から帰国するまでについて、土佐藩に委嘱された河田小龍が聞き書きし、まとめたもの。こんなに読みやすい文庫本になりました。実際の聞き書き本で、本来画家である小龍によるイラストも満載。とっても面白かった。こんなのが文庫本になるとは。すごい。

 

あと二冊。

「縄文時代の歴史」。1万年以上という長い年月、世界史の中でも特異な文化を形成した縄文時代。その多岐にわたる複雑な歴史を、わかりやすく解説してます。

 

そして最後。「日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか」。日本人は、」かつて、キツネに騙される「能力」があった。日本各地で調査し、どうやら日本人がキツネにだまされなくなったのは、高度成長期の1965年頃かららしい。なぜ、そうなったのか。哲学者の立場から、日本人の自然観、宗教観などを通じて、論じてます。当たり前のように、日本中どこでも、キツネやタヌキにだまされていた。それは何故か。そしてどんな社会変化や思想変化が、日本人に何をもたらしたのか。これ、今月新刊の中のイチオシね。

 

ああ。長々と、申し訳ございませんでした。

3月も始まりました。春、本番。春、爛漫。さあ。虫も蠢き始めるこの季節。僕らも頑張って蠢こう。さあ。仕事仕事。


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